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 1978年に刊行されたジョン・アーヴィング
のベストセラー小説。
1982年にジョージ・ロイ・ヒル監督によってこれを映画化。
1982年と言えば、当時はまだ中学生⇒高校生ぐらいで、右から左に映画を観ていた時期でした。
その中で"あの"スティング
のジョージ・ロイ・ヒルの監督作品だったのですが、ちゃんと観たのはそれから数年後に大学生になってから。
当時は大学でアメリカ文学を齧ってて、と言うか村上春樹がジョン・アーヴィングの本を訳している(熊を放つ)との情報やらから、勝手なイメージが膨らんでいました。
大げさに言えば、その頃の映画×小説(文学)の新しい世界観の潮流だったように思います。
その後、もちろん著作も読んで、映画も観て。
同じアーヴィング原作でも「ホテル・ニューハンプシャー」とは傾向が違います。
こちらはマイナス×マイナスはプラスのタイプ。
人生に襲い掛かる悲劇の連続を、最終的には観ている者に喜劇的に昇華させる。

 1965年のアメリカ/イタリア合作映画。
語るまでもなくデヴィッド・リーン監督の"不朽の名作"。
もう今から44年前の映画ですが、10代になるかならないかの頃にはじめてテレビで観ました。
全編3時間半ほどの長編。なのでテレビでの放送でも確か2週間に分けての前後篇で。
映画を観始めた頃に観たので"忘れない教科書"のような映画です。
個人的には父親がこの映画を好きだったので観たように思います。
物語の背景になったロシア革命なんかは、世界史の授業で習う前におおよそこの映画で把握しましたね。
その後、10年に1回は、ビデオ、DVDと変遷しながら見続けてきました。
年齢を重ねてから観ると感じ方は多少変わります、また違うことに気付くことも多いですね。
例えば、主人公ユーリ・ジバゴが亡くなった母親の形見のバラライカをなぜずうっと持っているか、とか・・・
観ての印象・感じ方では、ヴィクトル・コマロフスキー役のロッド・スタイガーの演技が、段々と「復讐するには我にあり」の三国連太郎の演技に被るなぁ、など。
でもいい映画とは、いつ観ても何か教えてくれるもんです。

 このコラムを担当してきてちょうど1年ぐらい。
月に2本のペースで"映画の中で描かれるお葬式"をテーマに紹介してきました。
別にこの回で終わるわけではないですが、なんとなく春が来て一巡り。
昔は、春も暖かくなっていい季節でしたが、今は「花粉症の季節」。
私自身もここ数年で発症し、油断すると重度のアレルギー症状に陥ります。去年は花粉を吸い過ぎて約1ヶ月間ぐらい酷い蕁麻疹に悩まされました。
今年はそれもあって毎度重武装。外に出るのもやや憂鬱なもんです。

 とはいえ、春になるとそれでもページが新しくなるよう。
思い出したように観たくなる映画もあります。
「虹の女神」
もその1本。
COCOWOでも日本語字幕&音声解説制作をDVD化の際に協力させてもらいました。

 昨年の9月に急逝した市川準監督の1999年に発表された作品。
元々TV・CMの演出家だったが1987年に「BU・SU」で長編映画にデビューし、その後1年に一本ペースで映画を撮ってきており、この作品が確か11本目か12本目。(確かじゃなくてごめんなさい。)
大阪出身の映画監督も数多いですが、東京出身の市川監督があえて大阪を舞台に憧憬も篭めて描くウェルメイドドラマ。
ストーリーは、夫婦漫才の夫婦とその子供(お姉ちゃんと弟)の家族の話。
この売れない夫婦漫才の夫婦を演じるのが、実際の夫婦でもある沢田研二
田中裕子

「どうもどうもようきてくれはりましたなあ。あんたもボーとしてんと挨拶せんかい」
「よう来てくれはりましたなあ」
「おおきにおおきに」
「・・・頼みもせんのに」
物語りも、こんな漫才の掴みと同じく"変わらなさ"と"温かさ"で包まれていて、どこかまた可笑しい。