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 滑稽なお葬式!?
1920年代半ばのパリ。当時のパリは文化/芸術の発信地であり、憧憬もあり、たくさんのアメリカ人の作家・画家などがパリに渡る。
「巴里のアメリカ人」というミュージカル映画があったが、これは当時のパリに集うアメリカ人をやや斜に見た言い方でもある。
一方、それだけ多くのアメリカ人が憧れをもってパリに渡ったということ。
「モダーンズ」は、この頃のパリが舞台。

 80年代から続く刑事モノ。
コンビでの活躍を描くバディームービーの人気シリーズ。
元祖!とも言える、もはや老舗のシリーズの第三作。
 刑事の活躍なので悪役があっての勧善懲悪であり、その内容として派手なアクションシーンを売り物に、コミカルな場面やホロッとさせるシークエンスが詰まった作品で「一粒で何回も楽しめる」ような面白さが当時受けた。
この要素というか観客の楽しめる製作姿勢は現在にも様々に昇華されながら色々な映画に受け継がれていっていると思う。

 このコラムが更新されるのが9/16(水)あたり。
ちょうど日本では自民党から民主党に政権が移る。
というタイミングで今回は「小説吉田学校」(森谷司郎監督/1983年)を書こうと思い、見返してみる。
大体このコラムを書く時は、なんとなく昔観たのを思い出して、「ああ、お葬式のシーンあったな」と思い、新たにDVDなどで確認して書く。
「小説吉田学校」も確か・・・と思いDVDを観ると、これが無い。
あれ?政治の映画だし、緒方竹虎が亡くなる過程で、などと思うが無いものは無い。
しょうがない。
しかし、こうして改めて観るとこの映画は示唆に富んでいる。
物語は保守合同・自民党結党の55年体制ができるまでの吉田茂の対米講和条約締結への執念と官僚派と党人派の政治闘争を描く。
吉田茂の官僚派は選挙で若手官僚を次々と当選させ党勢を拡大していく、「吉田学校」と言われた若手政治家達には池田勇人、佐藤栄作、田中角栄など後に総理になる人材が、一方の党人派は公職追放から復活した鳩山一郎を旗頭に三木武吉や河野一郎といったクセのある政治家が支える。
三木を演じたのが若山富三郎、河野一郎は梅宮辰夫。もっと昔なら「仁義なき戦い」のキャスティングだ。(吉田茂は森繁久弥)
劇中、党人派の攻勢、切り崩しに追われ、吉田茂はいみじくも吐く
「いいか、鳩山には絶対政権は渡さん!」
これは今日の現首相と前首相の祖父の、60年ほど前の時代の闘争の物語。
実名の政治家による史実に基づくストーリーゆえ、役者がそれぞれの役の演じ方を含めて見応えがある。

 

 死を享けとめる・・・絆を再生する。
不慮の事故死で息子を亡くしてしまった家族。
精神科医の父親、出版関係の仕事をしている母親、そしてバスケットボールに打ち込んでいる長姉。
あまりにも大きな家族のピースを失い、それぞれが何を、どう思い再生していくかの物語。
2001年に公開されたイタリア映画で、原案から監督/主演をナンニ・モレッテイが務めた。
彼の作品では、80年代に「ジュリオの当惑」というのを観たが、それ以来。
ちょっと独特の癖があって、時にユーモラスだが、それが皮肉っぽく本質を捉えていたりする作風。観ようによってはウッディ・アレンっぽいのですが、もっと辛口で重い感じ。
この独特の味わいが意外に好きな人が多い?
「ジュリオの当惑」ではベルリン国際映画祭で銀熊賞を、そしてこの「息子の部屋」ではカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞している。
そんな「ナンニ・モレッテイ」風を記憶の彼方から期待しつつ観たのですが、むしろ正統派でずしっと来る。真正面から自らに降りかかってきたものを捉えていく。